大山奈々子
大山奈々子大山奈々子

長野・愛知視察 障がい者の地域移行と太陽光発電、リニア

ブログコメント2

津久井やまゆり園の事件のあと、やまゆり園を建て替えるか、地域移行を進めるかという議論の中で、横浜で集会がもたれ、長野県から障がい者支援のお仕事をしている方々がいらして、駒ケ根市の「西駒郷」という施設においての障がい者の地域移行の実践が報告されていました。

大規模施設から地域で暮らすことを促進するため、本人の意思を確認するために眼球の動きがこういう時は「はい」、こうなら「いいえ」、などを参考に1人1人の意思表示の辞書ともいえるものを作って確認して丁寧に話し合いを重ね、体験期間を設けてグループホームなどへの移行を実現していったという話を聞き、是非とも見に行きたい、神奈川の障害者施策を検討するうえでどうしても見ておきたいという思いでいきました。

当時の田中康夫知事の裁量で動く予算がついたこと。施設を終着点ではなく通過点と考える発想で取り組まれたこと、はじめ詳細にうかがうことができました。

IMG_8847

水田に囲まれた障害者施設。ゆったりした中庭があります。

IMG_8843

芸術家集団のブースのひとつ。入所者さんも職員さんにも穏やかな笑顔がみられました。

IMG_8848

 

そばにあるグループホーム。体験的に暮らす方のためのお部屋もありました。

トイレはもしもの時に備えてドアがはず

してあります。

IMG_8849

 

 

 

2日目は飯田市へ。黒岩知事の公約だった太陽光パネルの設置を3.11以前から取り組んできて成功をおさめておられる例をみせていただきました。市議会の議会棟で事業者や市のご担当からお話をうかがいました。ウエルカムボードを作っていただいていましたがそこにあしらわれた水引は国内シェア7割を誇る飯田市の名産品です。(娘が幼稚園の時に捨てがたい鶴の水引を髪留めとして加工して頭につけて行かせたことを思い出します。吹き出すこともなく「かっこいいね」といってくれた先生はお元気でしょうか。小学校3年生までお正月明けにはこれをつけて行かせていたものです。おめでたい子でした。)

IMG_8853IMG_8854

神奈川県議会は箱根の噴煙被害がきっかけで箱根支援のために議場の名札を寄木細工で作っています。ここ飯田市でも、名産品が正面に飾られている様子は郷土の誇りを感じ、かっこよかったことに加え、議長席とたっぷりひろい傍聴者席が同じフロアにある(写真の手前側が傍聴席。)ことが、市民を重んじている感じで好感がもてました。

太陽光はNPO法人の社長からお話をうかがいました。公共施設の上に設置することをすすめる中で、ある中学校の生徒会長が生徒会選挙の際に太陽光パネルの校舎の上への設置を公約にかかげ、代替わりしつつもついにはそれが実現し、他の学校へも普及したという話は子どもの力を感じました。  

      IMG_8857

ここはパネルが設置されている川路城山という山間部。                    中部電力と共同事業でメガソーラー飯田という太陽光発電施設を作っています。中電には無償で土地を提供していると                    いいます。市への還元はとうかがうと、                       市の自然エネルギー活用という施策と                     合致してそれを推進することが大事だ                    から、という説明でした。

IMG_8865

家庭の軒数で換算すると280軒分を本日発電できたと表示されています。

 

 

 

 

午後は中津川市へ。リニア中央新幹線開通に関しての問題点をさぐるためです。リニアの行程の8割はトンネルですが、中津川市は地上を走るコースもあるということで、小学校の直近を通る際の電磁波の影響など不安が大きいといいます。しかし、市の説明では、JR側が問題ないといっている(確たる証拠を示さないまま)から、問題ないでしょうという説明。本県の原子力空母の放射能漏れの懸念に対する説明と酷似していましたね。

IMG_8870

中津川市の木下りつ子市議と恵那市の水野功教(みずののりみち)市議。リニア新幹線はここを通るのです。このお二人に地元でリニア問題に取り組んでおられる方々をご紹介いただきました。自然環境のこと、電磁波のこと、水脈のこと、発生土のこと、立ち退き問題…地元のある地域では、リニア開通には反対ではないが、電磁波防護フードをしっかり整備しない限り許さないという地域もあるということでした。

IMG_8868

                      

この風光明媚な田園風景の中をリニアが貫きます。右手の小学校の手前をリニアが通ります。                               

 

 

 

このうちの方は立ち退きが迫られています。 IMG_8871                        62歳になってからこの地に家を建て、「死ぬまでここに住むつもりだったんだけど…」と力なくつぶやく80歳を前にしたこの方の悲痛な胸の内を推し量ることはできません…。代替地を紹介されるでもなく。数年間説明がないまま不安な状態だといいます。

ハナノキの群生する里山でもリニア開発に伴って開通する道路が与える生態系への影響を本当に心配れている方にもお話を聞きました。

三日目

名古屋市では愛知県庁でお話を聞きました。

名古屋を通るリニアは全線地下。そして現在ある名古屋駅の地下にとおるということで、中津川とはまた違う課題があります。築70年で老朽化も進み、「名駅」ならぬ「迷駅」だと揶揄される名古屋駅を抜本的に改築する計画が進んでいました。

その費用負担が、県は3分の1と聞いたので、名古屋市と事業者かなと思うと、あとはすべて名古屋市だと。鉄道事業者の利益につながる改築なのに?というと、「JR以外の私鉄路線も通っているのでJRさんに場所をお借りしているという意味合いもあり。」とのこと。本県でも相模原の新駅となる橋本駅のそばの農業高校相原高校は、長年作り上げてきた土壌や演習林の持続性に不安を抱えながら、2キロ離れたところへ移転を余儀なくされ、そのための費用負担も明確ではありません。

これは空き時間に急きょお訪ねした愛知県議団。こちらも前回の県議選で空白を克服し、二人の議員団を誕生させたところ。中央がわしの恵子県議。しもおく奈歩県議は残念ながらいらっしゃいませんでした。事務局には満仲みゆき県議予定候補がいらっしゃいます。私も県議選を一度失敗しての当選なので、がんばってくださいとエールを交換しました。写真は私のカメラではなかったのでここには載せられません(+_+)

IMG_8879

このあと、あおなみ線にのって、リニア館へ。推進側の館かと思っていってみたところ、東海道新幹線の変遷など非常に面白く、私には時間が足りませんでした。

IMG_8880

IMG_8883リニアの時速500キロを体感できるシミュレーションマシンや、超電導の解説などマニアなら面白いだろうなと思いました。(私の弟は幼いころからリニアカーの運転手になると言って土木工学を学びましたが、実際は運転手はいらないのだったね、弟よ。と思いながら。)

IMG_8890

私が興味深く見たのは、東海道膝栗毛からはじまり、13泊14日かかった東京大阪間が、戦後すぐに復興特急「平和」号が走り、7時間、それから東京五輪のころ、(私が1歳のころ)ひかり号の開通で4時間に、それがどんどん早くなって3時間、2時間24分となった時短の歴史。もう十分じゃないかと。

IMG_8885

私は東京の大学にいて、もちろん帰省には青春18きっぷを使って各駅停車で帰ったことも多々ありますが、新横浜にも住むこととなり、何度もいろいろな局面で新幹線を利用してきた者として感慨ぶかく、確かに学生時代は雑誌読んで一寝入りしてやっと京都だったけれど、いまや一寝してしまったら本を読む暇もなくなったなと思ったり。

確かに中津川では羽田まで80分で到達し、名古屋の例では東京圏も大阪圏も2時間圏内になり、ビジネスの効率はよくなるかもしれない。端っこの神奈川から考えると多少早くなるだけでまったく意味が無く見えるリニアも、中間駅は意味合いが違うのかなという思いはもちました。しかし、それにしても失うもの、ふみにじるもの、増大するリスクを考えると言語道断だなという認識に確信を持ちました。

夫はそうはいっても、新幹線の時だって反対運動はあったんだよ。と。新しい技術ができる時に克服しなければならない課題はある。でも、リニアは危険すぎる。JR東海社長が「絶対ペイしない」と言い切りながら、国民の税金を財政投融資で3兆円も使いながら、通過自治体の財政をひっ迫させながら、それでも断行する陰にはリニア輸出という野望が潜んでいる。それは原発と同じ構図だといお話を聞いたことがあります。

代表質問で「そこのけそこのけリニアが通る」という表現をつかったことがありますが、これは本当に安倍政権を退陣に追い込んで中止させなければと思います。

盛りだくさんな視察でした。施策に生かして行きたいと思います。

 


コメント

  1. 水野のりみちより

     盛り沢山の視察、御苦労さまでした。十分な対応ができず申し訳ありませんでした。働き盛りが6人も。励まされました。これからもよろしくお願いします。

  2. 大山奈々子より

    水野さま

    先日はお忙しい中にも関わらずいろいろご案内くださり、多くの方をご紹介下さり、本当にありがとうございました。

    漫然とした報告をお目通しいただき、恐縮です。

    現地に足を運ぶことの意義をしみじみ感じることができました。

    また、どこにいっても同志に会える喜びも。今後ともよろしくお願いいたします。

コメント投稿フォーム
※コメントは、スパム対策のため、一度内容を確認したうえで公開させていただいています。公開まで時間がかかるときもありますが、ご了承ください。メールアドレスは公開されません。
必須

CAPTCHA