大山奈々子
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さようなら県民局。ともに生きる社会? 朝鮮学校補助金

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本庁再編により、長洲県政で誕生して以来40年、県民の青少年施策、女性施策、国際、私学、次世代、広報広聴など時代のニーズに応え、県民生活に関わる分野を担ってきた県民局が今年度で終焉を迎えます。最後の常任委員会はその歴史的経緯を質問する自民党議員の質問から始まりました。

幹部職員からも、「若き日に、県の県民部で働きたいという思いで入庁した」という答弁があったり、退職される幹部からは「入庁後は女性センターの設立準備室に配属され、一昨年、女性センターがなくなるのを看取った」という趣旨の感慨がかたられたり、織りなした歴史への誇りと惜別の念が漂う、さながらレクイエムのようなムードに満ちていました。

傍聴されていた方の中には元職員さんもいらっしゃり、感無量だったと思われます。そんな素敵な県民局を、県民とも議会とも丁寧に検討を重ねることなく廃止を決め、それを議会が容認した昨年の経緯を思うと、今さら惜しむようなことを言われてもと、鼻白む気分もありました。

温かい空気に満ちた委員会室。でも私の質問は朝鮮学校の補助金問題。

KYという言葉がはやりました。空気読めない。の略。場の空気を読んでたらこの議会では共産党がものを言えなくなります。もちろん16日もAKY(あえて空気読まない)だったわけですが…。

人権擁護の県政を牽引してきた県民局が、その終わりに朝鮮学校だけ補助金を凍結しているのは本当に歴史を汚すものです。(と、ここまできつい言い方はしませんでしたが、限りなく近い言い方にはなりました。)

〇朝鮮学校補助金の経緯はこちらの2017年の議事録をご覧ください。補助金不交付の規定項目にない特例を作ってまで、(拉致問題を載せた教科書を作ることを前提)補助金を止めている。

〇教科書を作れないのは生徒に責任があるのかと聞いても答弁は苦しく。朝鮮学校としても全国の教科書を作っている教書編纂委員会に再三求めていてもかなわない。学校の権限によらず、ましてや生徒にはどうしようもないことを理由にしている(第一、朝鮮学校は拉致問題のことを書いた副読本まで作っている)

〇政治的理由で経常費補助を止めた埼玉では弁護士会から県に警告が出され、ヘイトスピーチを助長するといわれていること。

〇補助金支給を続けている自治体数を確認。

〇補助金を支給している北海道の学事課さんに聞いた話を紹介。文科省が朝鮮学校補助金を見直すようにという通知を2017年3月に発しているが、それは財務の透明性などを問うていることであって、補助金を止めるようにという趣旨ではないということ。北海道では文科省にこれを確認。議会からかなり厳しく見直すようにというご意見があるが、国籍を問わず子どもの学習権を守るために支給を続けている。という例を紹介。

〇前回7月の私の質問以来、県に届けられた要望や、補助金関連の動きを確認、県に3~4回?にわたって生徒や保護者や支援団体が働きかけを行ってきていること、中の一回は18000超えの署名がつけられていること。さらに保護者のみなさんが弁護士とともに、人権救済申し立てを行っていることを明らかにしました。

〇そして、知事が朝鮮学校を訪ねたことがあるのかと聞くと、私学振興課長の知る限りではない。と。これだけの要望が来ている件なのだから訪ねて影響を見るべきだと。学校が、地域の方に朝鮮学校を知ってほしいと開いている朝鮮学校交流ツアーの話を紹介しました。校長先生に先生方のお給料が今年初めから二割カットになっている影響を紹介しました。

〇また、生徒たちの卒業後の進路を質問。日本社会で生きていく子たちだと。この地に生まれ育ち、日本で生きていき、将来はアジアと日本の架け橋になろうといっている子たちを、差別したままで県民局が発展的解消とは言えない。政治や国際情勢にかかわらず子どもたちの学習を支えようと創設された学費補助制度の趣旨に立ちかえるべきだと求めました。

下の写真は「ともに生きる社会かながわ憲章」の記念イベント。17日18日と横浜赤レンガ倉庫で行われました。夏季パラリンピックの正式種目であるボッチャに挑戦。楽しいイベントでしたが、まるで県のイベントである感がなく、打ち上げ花火で終わらず具体的な障がい者施策を推進していくことを特別委員会で求め続けてきました。包括する範囲もあいまいなまま定められた憲章ですが、障がい者施策のみならず、民族差別を行政の側がやっていて、「ともに生きる」といわれてもあまりにも空虚です。

この日は各地の作業所の皆さんの出店があって、それらに触れられたことはよかったですね。手前はダンスを披露してくれた高校生たち。ありがとうございました。

 

 


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