大山奈々子
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リベンジ視察 県立岡山図書館 &石井事務機センターでテレワーク 

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神奈川県議会では共産党とは考え方が違うからとすべての委員会視察を2グループで行うという珍妙なルールがあります。私たち以外すべての会派が賛成して適用されています。グループ分けという名の共産党排除です。意見の違いがあるからこそ豊かな視察につながると思うのですが。

何より、別グループと称しながら、行程を同様に組むのは事実上難しく、職員の同行もかないません。ですから我々は団視察として別な目的地にいったり、個別に視察したりという対応になります。委員会のみなさんが訪れた先で職員から説明された情報が共有されず施策にかかわる判断材料で不利益になることもあります。

というわけで2年前、日本一(都道府県立図書館で)の貸し出し数と来館者数を誇る岡山図書館に文教常任委員会が視察に行った時も私は参加できませんでした。数の話だけではなく、運営もすばらしいと専門家の方からうかがっていたので、楽しみでした。

視察2日目です。

県立岡山図書館は指定管理者による運営と聞いていました。「経費節減と行政サービス向上」を目的にした指定管理者制度は、そこかしこで労働条件の悪化や利用料金の引き上げという例が見られ、論理矛盾を抱えたこの制度は大変な問題があると考えています。

岡山図書館に関しては、清掃と警備の部分のみを指定管理者に委託し、図書館業務の根幹にかかわる選書やレファレンスなどは県が直営で行っています。

2004年、閉校した中学校を利用して建設されました。交通の便もよく、県庁の真向かい、城跡の中に存在する大きな図書館です。正面には地元岡山の陶芸作品、備前焼の陶板が飾られ、一階のカフェからはお濠が見えます。

太陽光や雨水などの自然エネルギーを利用しているということです。

運営の基本的考え方が、〇県民に開かれた図書館 〇県域の中枢としての図書館 〇調査・研究センターとしての図書館 〇メディアセンターとしての図書館 〇資料保存デンターとしての図書館

館長さん副館長さんとの懇談の中では「図書館の図書館」と語っておられました。市立にない蔵書をそろえるという意味、市の司書さんに対する講習を行うような専門性を有する司書さんたちがいるということ、などなど。岡山県内にはこの十年でいくつも図書館が誕生しているといいます。この県立図書館の陣容があってこそですね。

(ふらっと外から入って館内で休憩している人を閲覧室にいざなう仕組みも)

各所にユニバーサルデザインが…

(対面朗読室)

(車いす用テーブルと拡大読書器)

(県の障害福祉課と相談して作ったという楕円形の二段のてすり)

年間・・・発行される図書の7割を一冊ずつそろえておられるといいます。人気の書籍を複数札購入する市町立図書館との違いです。児童書はなんと100%購入です。うらやましい。

(多言語!)

 

全国屈指の230万冊の収容能力を誇ります。2015年には貸し出し冊数は148万冊、来館者数も年間百万人を超えています。(ただ、資料代が減り続け、2020年にいっぱいになるといわれた収蔵量が幸か不幸かいっぱいになるのはもっと先になりそうだということでした。)

その秘訣は交通の至便性に加え、定数通りの司書に加え、「県教委に理解があって(←ここ大事です)、司書資格を持つ職員をさらに22人、計111人ものスタッフをそろえ、リクエストに敏速に細やかに応える体制にあるのではということでした。神奈川県の県立図書館の再整備構想の中に、縮小移転される川崎図書館も、リニューアルされる県立図書館(紅葉ヶ丘)も、司書を考慮しない、少なくとも議会に提示しないままで進められている計画かと思うと情けなくなります。

(長いレファレンスカウンター)

図書館内をみせていただくと、書架の高さが比較的低いこと、天井が高いこと、そこここに座りやすいベンチがあること、禁止事項の張り紙がないこと、通路が広いことなどなど解放感あふれる作りで、視界も遠くの緑の庭園とその向こうの空を見渡せる快適空間でした。

(財政を助けるために、雑誌スポンサー制度も採り入れられ、雑誌の外カバーにいろいろな企業の宣伝が掲載されています)

(図書館って実はゆっくり本を読んでいってください、的な掲示は無いものです。ですからこの掲示は感動でした)

(県立高校の図書委員会にこの棚を開放し、様々な企画展示を行っているという心憎さ)

 

 

 

 

 

 

(高速で(2~3分!)図書を探して持ってきてくれる機械)

これほどの図書館を大勢で視察して、これほどの職員さんの誇りにふれて、そして神奈川では、川崎で唯一の県立施設である科学と産業の専門図書館川崎図書館を機能縮小する議案になぜ賛成できるのか、理解に苦しみます。

岡山では知事も議会もこの図書館には理解があるということです。本当にそうなら資料費減らさないでいただきたいけれども、財政難はここでもささやかれるわけですが、それでも県民のための仕事を誇りをもってこなしておられる職員さんたち、キラキラして見えました。

・・・

石井事務機センターは話題のテレワークについて学びました。大企業と並んでテレワーク推進企業としてランキングされている石井事務機センターを訪ねました。基本は事務機器関係の会社なのですが、ネットワーキングシステムを活用して自宅で仕事をして退勤時間を宣言し、自由な時間を生み出す形の働き方を見ました。

労働強化にならないか、賃金切り下げにならないか、労働者の権利がどう守られるのか、こういった疑念はぬぐいきれないものの、業界に好評化を得ているこの企業の挑戦を私たちも視野に入れたいと思います。

県庁でも、ある課は事務室内の見直しを行い、利用できる文具は共有し、各個専用のデスクを設けない職場環境を実験的につくりだし、作業の効率化を図っています。本来的な意味の働き方改革にはいろいろな可能性を秘めています。

 

 


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