宮城県議団の視察に学ぶ 私学助成と議会
今年度から年収590万円未満の世帯に実質学費無償となった神奈川県。この施策の決定経緯を知りたいということで、日本共産党宮城県議団が、政府交渉の翌日、来庁され私学振興課からヒアリングされました。私の発信をご覧になって関心を持っていただいたということ。宮城の子どもたちの支援につながりますように。
木佐木議員と私が私学助成に関わってきたということもあり、立ち合いました。
「東京では私学助成が大きく進んだが隣接県としてどうするのか」、という予算委員会での追及にはじまり、県内私学をバランスよく抽出して、アンケートを取り、年収約350万円未満と約590万円未満の所得階層に関して、ほぼすべての学校から負担感が重い実態が明らかになった。決め手は国が2020年度からの私学の無償を打ちだしたこと。2年前倒しで実施することができた。知事査定で決定。
私が新しく知った事実は神奈川が「私学発祥の地」とされていること。
入学金補助、一律10万円は全国でもそんなに行われていないこと。東京もないこと。今回新規で補助対象になる家庭は25%だということ。(私学に通わせる世帯に変化がみられるといってもやはり、私学は比較的所得が高い層が通っているといえますね)
(詳しいリーフレットはこちら)年収は目安だから、と「年収約910万円未満の世帯はかならず、ご確認ください。」に愛を感じます。
宮城県議団と振興課との質疑の中でさらに深まりました。
仮に国が2020年に私学助成拡充ができなかった際、神奈川はどうするのかという視点は貴重でした。「その時点で再検討ということになりますが、そこで後退させるというわけにはいかないと思いますが…」ということでした。国もしっかりお願いします。
宮城では私学に通う低所得世帯の割合が増えて来ていること、それは神奈川でも同じ傾向があること。宮城では学費補助は学校を通じる形をとっているので神奈川とは補助の方式が違うこと。宮城も神奈川も公私の割合はだいたい6:4であること(神奈川はかつてこの割合を決めていたが、協議会の中でこれを確定せずそれぞれが独自で学生獲得という方式になっています。)
(※私は教育関係者からこの方針転換を聞いた時、やや不安を覚えました。私学助成の拡充を発信した際、「大阪みたいに私学助成を厚くする一方、定員割れが3年続いた府立高校を廃止していくというあの方向に神奈川が向かうのか」という危惧の声を聞いたことがありますが、全日制進学率が低い中で県立高校をつそんなに露骨でなくても、県立高校を20から30校も減らす計画がある以上私も似た危惧はあります。)
神奈川は私学の学費補助は高いけれど(学校数が多いから)経営を支援する運営費である経常費補助は国基準に達していないこと。他県通学者への補助は多くの会派から指摘を受けているがいまだ叶わないこと。これらは私学振興課としても課題として受け止めていらっしゃいます。
なんとか教育費の負担を軽減したい、私学経営を支えたいという課の誠実な思いも言葉の端々に感じました。県民のために働きたいという県職員の願いを実現するためにも我々も頑張らなくてはと思いました。
ヒアリング後、近くの中華街で会食。宮城県議会もほぼオール与党の様相だったのが、共産党が4から8議席に増えて、様相がガラッと変わったのだということをうかがいました。震災からの復興、原発対策などで与野党ともに勉強会を行ったり真摯な取り組みが行われていることがよくわかりました。神奈川県議会では委員会視察から共産党とそれ以外の会派の2グループ分けで行うことになっている話は心底おどろいていらっしゃいました。
写真は関帝廟前で中嶋れん県議(仙台市泉区)、天下みゆき県議(塩釜市)、私、大山。角野達也県議(仙台市太白区)、事務局の岩淵さん
みなさんお疲れさまでした。