大山奈々子
大山奈々子大山奈々子

経済懇談会ご案内 相模原で第一次産業に触れる

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6月に横浜で開かれる志位議長の経済懇談会のご案内行動 初日。

今日、県議団は分散してJA漁協コース、農民組合コース、県央県政コースを回りました。私は農民組合コース。

県委員会の国民運動担当のTさんと、神奈川14区国政対策委員長の中村圭さん、相模原市議団長の羽生田学さんとご一緒でした。

相模原市にある神奈川つくい農業協同組合 中野支店、津久井森林組合事務所、農民組合神奈川県連合会書記長さんの牛舎、愛川町の丹沢高原豚の加工センターを訪ねました。アポなし訪問でもあったので、心配でしたが、どこでも一定の時間、懇談させていただきました。

■農協では、「鳥獣被害対策がやはり最大の課題、鹿、イノシシ、アナグマ、ハクビシン、アライグマ…加害鳥獣が増えると耕作意欲が減退して離農となっていまう。リニアの鳥屋(とや)の通信基地建設でそこにいた鳥獣が拡散するので広域の柵を設けてほしい」(ここで私はかつて環境農政常任委員会でサルのH群の駆除に賛成した時に命を奪う議案に賛成するという厳しさを思い出す。100%駆除すると他のサル群が入ってくるから少し残して頭数管理が大事とのこと

「農業用水の地下水が枯渇すると困るので地下水脈を切らないようにしてほしい。自民党にお願いして国交省に要望をだしたがどうなったものか」

「酪農だけではなかなか食べれない。酪農家は飼料価格の高騰で乳代(にゅうだい、というのだそうです)を超えている。資料を作って与えられるといいがそれだけ圃場になる土地が必要で難しい」

■森林組合では「水源環境保全税(県のもの)が令和8年に終わるがそれでは困る山を持っていると自分では管理できないので組合が県に頼むことになる」「林業家はいない(!)山を持っていたり作業を仕事にしている人はいるが…山の使い方がわからない。相続したときにはどこの山かわからない」「売れる木は70年制や80年制、津久井の山はいい木が育っているのに、作業路がないために出せない。県の補助金も減っている」「搬出ができないということは所有者に返すお金がない。毎年1000円ずつ下がっている。売れた木に諸経費が掛かる。切った木をいったんまとめて作業路まで運び貯木場に運ぶ。水源環境保全税の使い道は人口割りではないのか。(要確認)、横浜にこのお金を出したところで机の天板になってしまう。森林整備に予算をつけてほしい」

私は共産党は水源環境保全税という特別に負担を求める税金の形は反対して、大事な事業だからこそ期間限定の特別な税の形でなく一般財源でしっかり予算組みをしていくべきと求めていることを伝えました。こういう切実な声を聞くと県が不要不急の事業で税金を無駄遣いをすべきではないと改めて思います。

■Kさんの牛舎では、18頭を飼育する親の代からの酪農家。跡を継ぐという息子さんと3人でお話をしていただきました。牛舎に入るときにここ1か月の間に朝鮮半島や東南アジアに渡航していないかと聞かれ、口蹄疫始め伝染病を警戒すべき事業の厳しさを思います。飼料代の負担をうかがうとだいたい、乳代2300万円、飼料代1700万円という感じだそうです。マイナスです。飼料代だけではなく運賃や機械設備、獣医の費用が必要になる。県やJAの臨時給付金で生活している。首都圏の酪農家は餌を購入している。北海道は乳代が安い。(乳代はどうやって決まるんですか?)加工原料乳(チーズやバターになる)価格は一律政府が決めている。首都圏の飲用乳価格は130円。北海道では加工原料乳をメーカーが1㎏60円。これに政府が手どりを高くするために20円プラスする。厳しい経営を支援するには、価格補償を厚くすることが必要です。息子さんに「こういう厳しい状況にも関わらず跡継ぎを決められたのはなぜ?」と聞くと、「決めたときにはまだ状況はよかった」と。

北海道では国が推奨した畜産クラスター事業で事業費の半分を自治体が負担し生産量が増えつつあって、返済が始まったころにコロナ禍が始まり、学校給食や宿泊がなくなって借金が返せず給料も払えず離農がどんどん進んでしまった。

県内でもこの1年で100軒ある酪農家のうち16軒が離農した…。

お話を聞いている間に牛が水を飲み始め、そのものすごい飲みっぷりに驚き、訊くと牛は一日に30㎏の乳を出し、その3倍の水を飲む。以前断水したことがあって4日間水を離れた土地から運んだとのこと。どんなに大変だったでしょう。

物価高騰のための飼料への緊急の交付金はあっても昨年で終わり。単年度の事業ではやっていけない。条例で畜産農家を安定的に価格補償する仕組みが必要。

県の制度は何もない…

最近、環境団体などから牛が出すメタンガスに厳しい目が寄せられますね、というと、酪農家は減っていくからメタンガスも減りますよと自嘲的なお言葉を聴きました…

■農場の加工センターでは私が産直で届けていただいている中津ミートのハム・ソーセージのお話を聞きました。この地域では生産者と消費者が手をつなぐ会があり供給センターに発展した。地場産業と消費者が結びつく産直運動の走りだった。安全性を求める厳しい消費者のニーズに応えるのは本当に難しく、一つの課題を解決するのに2~3年かかった。毎月か隔月で会議を行い、課題ごとに小委員会を設けた。よくやったと思う。ソーセージは結着が難しい。屠殺して8時間以内にソーセージに加工する温かいうちに加工するから温屠体という。ドイツで始まった手法、日本では2,3の事業者しか取り組めていない。(ああ、だからうちに届けられるソーセージは本当においしいのだ)

畜産の情勢は本当に厳しい。穀物相場が高い。中国が爆買いしたこと、ウクライナの危機で2021年から価格が高騰している。消費者の意識調査では75%が値上げは仕方ないというが、60%以上が安い方を買う。豚の市場相場は650円/㌔。生産価格は500円/㌔。暑くなって12月1月2月は赤ちゃんも少ない。廃業が多い。いい相場のときに蓄えた資金を吐き出して、セーフティネット資金でしのいでいる。餌会社に払う餌代の回収ができない。値上げの交渉をするが高くなると売れなくなる…価格補償が大事。

うちは遺伝子組み換え飼料を使っていないが、非遺伝子組み換えと表示してはいけなくなった。(!)

消費者のニーズに応え、おいしく安全な加工肉を提供しようという心意気は気持ちのいいくらいでした。農民連が再興した話なども聞けて心強いものの、ここでも国や県の支援のなさに驚きました。

第一次産業を守ることは一番の国防だと思うのですが、これは本当に国政を変えなければ。

突然の訪問にも快くご対応いただきありがとうございました。


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