大山奈々子
大山奈々子大山奈々子

夜間中学の可能性のひろがり。@ココファン鶴見

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夜間中学の運動をされているみなさんには、私たちの認識を育てていただいているという実感を強く持っています。これまで私が重ねてきた学びをリンクを張ってご紹介します。(特に今日、話題になっている、夜間中学推進の教育機会確保法案になぜ私たち日本共産党が賛成できなかったかを吉良議員の質問を紹介する三つ目のリンクはぜひご覧ください。一つがすばらしい中身でも抱き合わせの議案が問題があれば賛成できないという苦しい議決態度の一つです)

私は議員になるまで夜間中学の存在を知りませんでした。2015年5月と言いますから議員になってすぐ、畑野君枝議員に声をかけてもらって横浜の蒔田中を視察させていただきました。

その後、「神奈川・横浜の夜間中学を考える会」から、何か企画があるごとに県議全員に封筒に入ったご案内をいただき、議会要請も繰り返しおいでになりました。川崎の西中原中学の視察、映画「こんばんは」の鑑賞、自主夜間中学と言われるあつぎえんぴつの会の視察と、夜間中学のことを知る機会を得ることができました。

今日の集会にも複数のメディアと多数の議員が参加しているところをみても、政治的にどう働きかければ世の中を動かせるか熟知されている支援団体のみなさんのご努力に頭が下がります。県議団からは君嶋議員と私が参加しました。

「教育機会確保法の施行と夜間中学の充実に向けた文部科学省の取り組みについて」文科省の教育改革制度室長さんによる講義がありました。

難しい行政用語を平易に言い換えながらわかりやすいお話をしてくださいました。この後でお話になった支援されている側の方のお話と合わせてたくさん学ぶことができました。

昭和30年ごろには全国80校を越えたが現在では8都道府県25市区31校になっているということ。(神奈川は川崎横浜の二校のみ)

首都圏と阪神圏に集中していること。

2016年の国公私立小中学校の不登校児童生徒数は13万人以上、中学校では生徒の33人に1人!!!!

国政調査などで都道府県別の未就学者数が示され、小学校を卒業していない人が2011年の調査で12万8千人もいらっしゃるということがわかります。そして、小学校は卒業しても中学校を卒業していない人の数を把握することの必要性も語られました。

『義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律』(2016年12月施行)の概略は

〇すべての地方公共団体に、夜間中学における就学機会の提供等の措置を講ずることが義務付けられている

〇地方公共団体は夜間中学を新たに設置すること、設置している場合は受け入れの対象生徒の拡大を図ることなどに取り組むことが求められている

〇近隣の市町村と連携し協力して就学機会の提要を図るなどの理由から夜間中学を設置しない場合においても他の市町村の夜間中学の設置運営に関する経費の一部分担、積極的な広報や相談窓口の開設、就学機会の提供につながるいわゆる自主夜間中学等での学習活動への支援などに取り組むことが必要

〇すでに夜間中学を設置している市町村においては、個々の生徒のニーズや年齢、経験等の実情に応じた教育課程・指導上の工夫を図るとともに、不登校となっている学齢生徒の受け入れなど、実質的に十分な教育を受けられていない多様な生徒の受け入れについても検討することが求めれらる。

 

〇またこれとは別に生徒の受けいれに関しする通知が2015年~16年にだされています。

①様々な事情から学校に通えず、実質的に十分な教育を受けられないまま学校の配慮等により、中学校を卒業した者のうち改めて中学校で学びなおすことをきぼうするもの(入学希望既卒者)の受け入れ

②小学校美修了者が中学校相当年齢に達しており、中学校夜間学級等に入学を希望する場合入学を認めることが適当

③不登校の学齢生徒について、本人の希望を尊重した上での受け入れも可能

など、政府予算も3600万円と前年より1600万円増やされており、就学機会の提供が進みます。

興味深いのは義務教育国庫負担法の一部改正。(2017年)

都道府県が設置する義務教育諸学校のうち、不登校児童生徒を対象とするもの、夜間その他特別な時間に授業を行うものの教職員給与に要する経費を国庫負担の対象に追加するというもの、理論的には県が中学校をつくる場合は禁止法はない。県立夜間中学という選択が可能だということ。高知県が踏み切る可能性があるということです。

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私は、二つの夜間中学を見に行った際、市内在住在勤に入学資格が限れらていたことが残念で、拡大できないかと思っていましたが、全国的には都道府県内在住や在勤、場所を問わないなど、対象が広い自治体の方が多いとわかりました。千葉東京奈良大阪。

これはしかし、閉会後、支援者の方と話した際、神奈川県内で広域受け入れを進めるより、夜間中学の設置そのものを進めた方がいいというご意見をうかがいました。そうですね。過渡期の対策に腐心するより、求められているところに求められている学校を用意することが大事ですね。

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参加者の中にはあつぎえんぴつの会で出会った生徒さんで80代のおばあさんもいらっしゃいました。また、生い立ちを語ってくださったおじいさんは、5歳で両親が離婚され、お父さんに育てられたが10歳の時にその父が行方不明になり、親せきを頼ってお金が続くところまで行ったがそこが静岡で、旅費を稼ぐためにそこで働くことになったという経緯の中で学ぶ機会を失ったといいます。戦後の混乱期でなくてもこういう経験をお持ちの方はかなりいらっしゃるということです。

ちなみに私の一言挨拶は、「日本語教師をしていたので視察では懐かしい感じがした。外国籍生徒が増え、多文化共生の場としての夜間中学の可能性にも期待している。横浜市川崎市だけではなく県に、全国にと広がっていくよう応援したい。」というものでした。

文科省の課題認識としても「必要な日本語指導を充実するため夜間中学に携わる教職員に向けた研修を実施」。という項目もありました。

30年前に高校教師時代、中国残留孤児二世が日本に来て私の勤務校に入学してきましたが、教師の側に日本語を教える体制がしっかり取り切れていなかったことを思い出しました。この問題では、参加者の中で日本語教師をしながら早稲田の大学院で日本語教育と夜間中学のことについて学んでおられる方とお近づきになれました。

今後の課題

神奈川県は既に県内市町村とともに夜間中学を拡充するための協議会をたちあげているので進んだ県だと言われましたが、その進捗を注視し応援すること、すでに在学している方々の就学支援の利用状況や交通費の負担など在籍生徒の課題を浮き彫りにするような実態把握が必要だという視点が語られました。

ブログは情報発信の場であると同時に自らの覚書の要素が強いです。今日は思うところが多かったので長いブログとなりました。


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